恋色の紙ヒコーキ
* * *


学校が閉まるギリギリまで粘って勉強して、一緒に帰る。
これが今、あたしたちが一緒にいることのできる時間。


「もうすぐ…クリスマスだね。
どこか…行こうか?二人で。」

「へっ!?いいの!?」

「え?何その『いいの?』って…
クリスマスなんだから少し息抜きしようよ。
はる、ちゃんと頑張ってるんだし。」

「そ…うかな…?
あ、だったら梨絵と安藤も誘ってみんなでどっか行こうよ!!」

「……はる…
俺、今言ったよね?
『二人で』って。」

「え…いや…だって…いつもみんなでだから…。」

「だから今年は特別。
それに久哉も笹川さんと二人で過ごすって言ってたよ?」

「え?そうなの?」

「うん。だから俺たちもどこか行こうよ。二人で。」

「えっと…うっ…うん…。」

「どこ行きたい?」

「…どこ…でもいいよ?」

「え?」

「一日中陽と一緒にいられるだけで幸せだもん…。」

「はぁ…はる…
そういうの反則なんだけど…。」

「へ?」


気がつくとあたしは陽の腕の中。


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