恋色の紙ヒコーキ
その指を見つめると…


「もしかしてこれ…。」

「ペアリング。
俺も同じのつけてるよ。」

「…っ…ありがとう…ホントのホントにありがとう…。」


あたしは陽に抱きついた。
あたしの頭を優しくポンポンと撫でる陽。


「そんなに喜んでくれてるんだったら…
はるにひとつ、してもらいたいことがあるんだけど…。」

「え?なぁに?」

「はるから…キスしてくれない?」

「へっ!?」

「ありがとうの言葉の代わりに。ね?」

「えっ!?やっ…それは無理…。」

「なんで?」

「いやっ…だって恥ずかしすぎるもん…。」

「お願い。ね?」

「無理ーっ!!いくら指輪くれたのが嬉しかったとはいえ、それは恥ずかしすぎて死んじゃうもん!!」

「死なないよ。
もうすぐ下に着いちゃうし。早く。」


そう言って目を閉じる陽。

やっぱり陽の顔ってきれいだなぁ…
吸い込まれそうになっちゃう…
そんなことを考えていると、無意識に少しずつ、陽の顔に近付いていく。

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