恋色の紙ヒコーキ
「…それだけ?」

ちょっといつもと違って少し意地悪な顔をする陽。

「それだけって…
今のあたしのせーいっぱいだもん!!」

「はいはい。ありがと。
続きはあとで…ね。」

「…っ…陽のバカーっ!!」

「いいよ、バカで。さ、降りるよ。」



やっぱりいつも、陽は余裕。あたしばっかりドキドキさせられる。
あたしだってドキドキさせたいのにー!!


「はる、イルミネーション見に行こう。」


そう言って手を差し出す陽。

もーっ…こうなったら陽もドキドキさせてやるんだから…!!


あたしは陽の手じゃなくて、陽の体に思いっきり抱きついた。



「えっ!?わっ…。」


あたしの勢いが大きすぎて、バランスを崩してそのまま後ろに陽が倒れる。


「ぎゃーっ!!ごめん!!そんな重かった?」

「違う違う。はるが重かったからじゃなくて、いきなりでびっくりしたから…。」

「って陽…その顔…。」

「へ?」



< 220 / 297 >

この作品をシェア

pagetop