恋色の紙ヒコーキ
「陽…顔真っ赤なんだけど…。」


イルミネーションのおかげでその赤さがはっきりと分かる。


「見なくていいんだよ、そんなのは。」

「なんでー?だって陽、いつもあたしの顔が赤いって言うじゃん!!
あたしだって真っ赤な陽見たいもん!!
あたしだってドキドキさせたいんだから…!!」

「いつも…充分すぎるくらいドキドキしてるよ?」

「へ?」

「それにはるが気付いてないだけで、俺、いつもはるにドキドキさせられてるよ?」

「え…?」

「心臓の音、聞こえる?」


そう言ってぐっと陽の胸に引き寄せられる。
ドクドクとあたしと同じくらい早い心拍数。


「聞こえたでしょ?これが本当。
はるばっかり好きなわけじゃないよ?
はるばっかりが余裕ないわけじゃないんだよ?
俺も同じだから。」

「陽…。」

「さてっ、なんかかなり注目の的になってるからそろそろ立とっか。」

「へ?」


あたしが周りを見回すと、結構人が集まってジロジロ見てる。

急激に恥ずかしさがこみ上げて来て、あたしはもの凄い勢いで立ち上がる。


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