恋色の紙ヒコーキ
「なんで手、離したんだ?」

「え…っと…それは…。」


言えない…
言えるわけがない。
1年も付き合って今更恥ずかしくてなんて…
絶対言えない。

言えないって思えば思うほど、熱を帯びてくるあたしの顔。
鏡を見なくても分かる…
今、あたしの顔は絶対…


「顔、赤すぎ。」


そう言って悪戯っぽく笑う久哉。
でもすぐに少し意地悪な顔になる。


「なんで?梨絵。」

「それはっ…。」

「俺にも言えねぇこととかあるんだ…
なんだかそれ、すげーショック。」

「いやあのっ…それ違うっ…。」

「じゃあ何?なんで?」

「っ…もう!!」

「もう…なんだよ?
なんで俺、手離された上にごめんって謝られたわけ?それ、何の『ごめん』?」




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