恋色の紙ヒコーキ
「はる。」

「ふぇ?」


顔を上げたはるのほっぺのクリームをペロッとなめた。


「よっ…陽…っ…なっ…何を…っ…」

「クリーム、ほっぺについてたから。」

「だからって…普通に…取ってくれればいいのに…っ…。」

「普通に取ったら面白くないでしょ?」

「面白くする必要なんかないもんっ!!」

「さっきの続きだよ。」

「さっきの続き…?」

「さっき壁に押し付けられたの、もう忘れたの?」

「へっ?」


いきなり顔が赤くなる。
どうやら思い出したみたいだ。


「よ…陽…?」


俺はじわじわと壁にはるを追い詰める。


「はる…。」

「陽…。」


俺ははるの髪に触れる。
びくっと体を強張らせるはる。

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