恋色の紙ヒコーキ
* * *

「ねーてらりん。」

「なんだ?」

「あたし、もう卒業しちゃうんだね…。あと3ヶ月しかないよ…この学園にいられるの…。」

「そうだな。」

「そうだなって…
てらりん、あたしが卒業しちゃって寂しくないの!?」

「俺は寂しさなんかよりも戸田がしっかり卒業してくれるという嬉しさがはるかに上回ってるよ。」

「なにそれーっ!!バカにしてんの!?」

「違う違う。この手で送り出せるのが嬉しいんだよ。」

「………てらりん…」

「なんだー?」

「卒業式の日さぁー、てらりんが名前呼ぶんだよね?」

「そりゃあ担任だからな。…それが?」

「てらりんはどーやって返事してほしいのかなーって思って。」

「そうだな…。
俺は、いつもみたく元気が良すぎるくらいの返事で返してほしい、そう思うよ。
ま、戸田は当日、泣いて声が出なさそうだけどな。」

「大丈夫だもんっ!!いい返事、絶対するからねっ!!」

「あんまり期待しないでおくよ。
それより早く勉強しなさい。」

「はーい!!」



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