恋色の紙ヒコーキ
「よしっ…全員席に着いたな。
まずは、卒業おめでとう。
一部卒業に若干の不安を抱える者もいたが、それでも全員無事に卒業できたことを本当に嬉しく思う。
って戸田…。」

「なぁにぃー…?」

「いい加減顔が凄いことになってるぞ。」

「分かってるぅ~…でも無理ぃ…涙腺が死んだー…。」

「あー…もういいよ。
で、話を続けると…といっても特にお前たちに言いたいことはそんなになくてな…。
これからも、自分なりに前を向いて頑張ってくれ。
言いたいのはそれぐらいだな。

疲れたらいつでも帰ってこい。
相談くらいは聞いてやるぞ。

よし。じゃあ卒業証書を渡すぞ。安藤から。
安藤。」

「はいっ!!」

「お前は…
戸田と一緒になるとなかなか面倒だったが…
大学に行っても頑張れよ。というか合格しているといいな。」

「あちゃー…てらりん…最後のはプレッシャーだー!!」

「次、五十嵐。」

「はい。」

「お前、あの場をアドリブでなんとかするなんて、こっちはハラハラしたぞ。」

「あー…すみません。あんなに手伝ってもらったのに…。」

「気にするな。良い答辞だった。少し…感動した。」

「少し…ですか。寺脇先生を号泣させたかったんですけどね。」

「…生意気だな。五十嵐。」


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