恋色の紙ヒコーキ
* * *

「次は女子。赤坂。」

「はーい。」


自分の番が近付くにつれて涙が止まらなくなっていく。
あー…涙腺本当に壊れてる。


「笹川。」

「はいっ!!」

「お前は…本当にしっかりしていて手がかからなくてありがたかった。
特に戸田の面倒をよく見てくれていたよ…。」

「あはは。それがあたしの役目みたいなものですから。」

「まぁな。卒業後もしっかりやれよ。」

「はいっ!!」


やばい…
もうすぐ呼ばれる…
その前に…顔と声を整えておかなくちゃ…。


「戸田。」

「…っ…は…はい…。」

「ほら、お前は…
とにかく前に来なさい。」


あたしはフラフラと前へ出る。


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