恋色の紙ヒコーキ
あたしは思わず俯いた。


「はる…?」

「…陽と顔合わせるのが…辛いの…。」

「え…?」

「寂しい…行かないでって…言っちゃいそうになるから…。」

「はる…。」

「ってごめん!!明日出発の梨絵に心配かけちゃダメだよね!!
あたしは大丈夫だから…
お邪魔しましたっ!!じゃあまた明日ね!!」

「あ、ちょっとはるっ…。」


梨絵の言葉を振りきって、あたしは梨絵の家を飛び出した。



「っ…はぁ…はぁ…。」


こんなこと思う自分が嫌になる。
あれだけあたしのことを応援してくれて、ちゃんと自分の夢も叶えて…
なのにあたしは…
ちゃんと陽を応援してあげること…できたのかな…?

ダメだよあたし…
自分の寂しさとか、ちゃんと抑えなきゃ…
最後の最後に…陽に心配かけちゃダメ。

あたしは自分の部屋に駆け込んだ。



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