恋色の紙ヒコーキ
「はる…。」

「梨絵…頑張ってきてね…あたし…ずっとここにいるから…
いつでも…帰ってきていいんだよ…
っていうか帰ってきたときは絶対あたしんち泊まって行ってね!!
もう梨絵とは1日中話してたって足りないくらいなんだから…
だから…梨絵…っ…。」

「はるっ…。」


あたしは梨絵に抱きついた。


「もーっ…あたし、泣かないつもりだったのに…。はるがそんなこと言うから泣いちゃうじゃない…っ…。」

「だって寂しいんだもん…っ…絶対帰って来てよ梨絵っ!!」

「うんっ…あたしも寂しいから…すぐ帰ってくるね。」

「約束。」

「約束ね。」


あたしと梨絵は子どもみたいに指切りをした。


「じゃ、お邪魔虫は退散しようか、はる。」

「えーっ…あたし、最後まで…。」

「久哉が一番寂しいんだからさ。ね…?」

「…分かった…。」

「じゃあ梨絵、健康にだけは気を付けてよ!!
っていうか梨絵に何かあったらすぐ行くから!!」

「うん!!ありがと、はる!!大好きーっ!!」

「あたしもー!!」


涙ではっきり梨絵の顔が見えなかったけど、それでもなんとなく笑ってた気がする…
それにあたしも…
最後はちゃんと笑えた…そんな気がする…。


「行こうか。はる。」

「ふぇ?」


< 270 / 297 >

この作品をシェア

pagetop