恋色の紙ヒコーキ
「言っても…いいの…?」

「うん。聞きたい。」

「あたしに…幻滅するかもしれないよ…?」

「幻滅するわけがないよ。
はるが抱えてる不安は、俺の不安だから…
だから包み隠さず、全部話してほしい。
はるの全てを、俺が受け止めるから。」


陽の優しい言葉が、あたしの気持ちをせき止めていたものを壊していく。
言葉にするのを躊躇っていた想いが、一気に溢れる。


「あたし…っ…弱くて…ダメな子で…っ…。」

「うん。」

「陽に心配かけたくないのに…いつもかけちゃって…。」

「うん。」

「でも…本当はそれがすごく嫌で…。」

「うん。」

「困らせたくなんかないの…陽の困る顔なんか見たくないの…
なのに…いつも困らせる…。
今日だって…明日行っちゃうから…ちゃんと笑顔で送り出したいって思ってるのに…
でも…あたしの『寂しい』って気持ちが…溢れてっ…。
だから…ごめんね…陽。」


あたしは陽の目を見て言った。
少し、視界が滲んでぼやけてる。
だから陽の表情もはっきりとは分からないんだけどすごく優しく…


あたしの肩を抱いていた陽の手に力が入って、あたしは陽の胸にぐっと押しつけられる。
陽の温かい体が、あたしの体を包んでるのが分かる。

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