恋色の紙ヒコーキ
「陽っ!!」

「ん?」

「ちょ…あそこに梨絵たちいるし!!」

「どうせ俺たちのことなんて見てないよ。」

「でもっ!!」

「嫌?」

「いっ…嫌じゃない…けど…。」

「ならもう少し、こうさせて。」


俺は腕の力を少し強める。

はるの心臓の音がちょっとだけ伝わってくる。

俺と同じで少し早い。


「ねぇ、陽?」

「うん?どうしたの?」

「なんで…
『衣里香』って呼び捨てなの?」

「え?」

「ねぇ、なんで?」

「うーん…。」



上手く言えない。

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