恋色の紙ヒコーキ
* * *


あれからもうすぐ2年。
今日はあたしの短大の卒業式があった。



「もうすぐ2年…経つのかぁ…。」



あたしは空を見上げた。
今日は快晴。
眩しすぎる太陽があたしを照らす。
空に向かって、あたしは少し小さな声で言う。


「今日、無事、短大卒業したよ、陽。」

「うん。卒業おめでとう、はる。」

「へっ?」



いるはずのない人の声が聞こえて、あたしは思わず後ろを振り返った。


「よ…う…?」

「うん。驚かせようと思って、帰ってくるってこと、内緒にしてたんだよ。」

「ホントに…本物…?」

「当たり前だろ?俺の顔忘れたの?」

「だって…信じられなくてっ…。」

「じゃあ信じさせてあげるよ。」


真っすぐあたしのところに歩いて来て、あたしをぎゅっと抱きしめてくれる陽。



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