恋色の紙ヒコーキ
「信じられるでしょ?」

「…うんっ…。」



あたしは久しぶりに会う陽の腕の感触を確かめていた。
ぎゅっとしてくれるその力強さも
『はる』と呼ぶ声も
真っすぐなその瞳も
全てが…陽で…
その陽が今、そばにいてくれることが…奇跡みたいで嬉しくて…



「やっと…離れなくて済むね。
はるの両親に挨拶行かなきゃ…。」

「去年の夏行ったじゃん!!
うちの親、今は海外だからこっちにいないよ。」

「あれ?また海外行っちゃったんだ…。
…無断ではるのこと連れて行っちゃっていいのかな?
まぁ、どっちにしろ連れて行くけど。
もう絶対離さないし。」

「…っ…。陽っ!!」


あたしは陽の背中に手を回した。


やっぱり陽だよ…
今、目の前に陽がいる…っ…

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