恋色の紙ヒコーキ
「はる。」

「うん?」

「左手…出して?」


あたしの左手の薬指には陽が2年前にくれた指輪が光ってる。


「外すよ?」

「えっ…?」

「これは婚約指輪だったから。」

「…?」

「今日持って来たのは本物の結婚指輪。」

「え…?」


そう言って陽が差し出した小さな白い箱。
開けると…


「綺麗…。すごく…綺麗…。」

「はる、左手、出して…」


陽が優しくあたしの左手を取る。
薬指にぴったりとはまる指輪。
あたしは思わずその指輪に触れる。


「綺麗っ…あたしの手なんかには勿体ないよっ…!!」

「そんなことないよ。
って安物だからさ、そんなにまじまじと見ないでほしいな。」

「安物でもなんでも…あたしにとっては宝物だよっ…!!」

「…うん。ありがとう。
はるもはめてくれないかな?」

「え?」


箱の中には、もう一つ光る指輪がある。
あたしはそれをそっと取った。


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