恋色の紙ヒコーキ
* * *
-部活帰り-

「お疲れ様。」


あたしよりも先に陽が来ていた。


「ごめんね!!待たせちゃって…。」

「そんなに待ってないよ。はい、これ。」

差し出されたのは冷たいお茶が入ったペットボトル。


「ありがとーっ!!」

「どういたしまして。」


あたしは喉がカラカラだったから、一気に半分以上飲み干した。
ペットボトルのふたを閉めて、あたしたちはゆっくりと歩き出す。


「で、あの子が何を言いたいか、分かった?」

「へ?」


なるべく考えないようにしていたことだったから、いきなり陽に言われて戸惑う。
その戸惑いは明らかに陽にバレてしまったみたい…
また、ちょっと怒ったような顔をする。


「あー…はるは本当に鈍いな…。」

「えぇ!?あたし、鈍くなんかないよ!!」

「鈍い鈍い。
身体的には全然鈍くないのに、精神的にはすっごく鈍いよ。
俺があんなに態度で示してたのに、俺の気持ちになんてこれっぽっちも気付いてなかっただろう?」

「うっ…そ…それは…。」


そこを突かれると痛い。


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