恋色の紙ヒコーキ
* * *


昨日小林くんに言われた通りの場所と時間をしっかり守って、あたしは今小林くんを待ってる。
結局何を言われるか分かんないまま来ちゃったし…。


「先輩!!遅くなっちゃって…ごめんなさい!!」

「あ、いーよいーよ。全然待ってないし。
あたしもさっき来たところだからさ。」



今日はバスケ部は休み。
陽は何か物言いたげだったけど何にも言わずに部活に行っちゃった…
そういう態度が一番もやもやするって分かってるはずなのに!!


「あの…はる先輩?」

「あ!?えっとごめん!!で、話ってなぁに?」

「えっと…ですね…その…。」

「?」


ちょっと気まずそうに顔を赤くする小林くん…

その姿に陽の言葉が蘇る。


『それがどういう類の話だか、ちゃんと分かってる?』


ちょ…待って…
この顔にこの展開…?

もしかしないでもないかも…
いやでもあたしだよ?
梨絵とか神城衣里香とかじゃなくてあたし…?

いやいやいや。
ないないない。あり得ないよ。

どうせバスケ教えてくださいとかそんな感じでしょ…


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