恋色の紙ヒコーキ
* * *

「はい。じゃあどうぞ。」

「どうぞって…
だから…その…小林くんに…告白されて…。」

「はるが告白ねぇ…
物好きなやろーがいたもんだ。」

「うるさいわねー安藤のバカ!!」

「はいはい、落ち着いてー。
で、はるは何て言ったの?」

「もちろん、ちゃんと断ったよ。」

「そりゃとーぜんよ!!
どうやって断ったのかって聞いてんの!!」

「え…っと…陽のことが好きだって気持ちは絶対に変わらないからって…。」

「よしよし。その答えならよし。で、相手は?」

「それでも…諦めない…って。」

「「諦めないー!?」」


あたしと久哉の声がハモる。
しかも大音量。


「梨絵!!安藤!!」

ちょっと赤くなったはるが慌てる。


「ごめんごめん…
だって普通諦めるだろうなって思うじゃない。
それに相手が陽くんだし。」


< 50 / 297 >

この作品をシェア

pagetop