恋色の紙ヒコーキ
あたしたちだって…
ないわけじゃないよ。そーいう厄介事。


「な…くはないけど…?」

「はぁ!?梨絵、またコクられた!?」

「え…違うけど…
ってなんでそんなに久哉、必死なの?」

「え…いやまぁ…
またコクられたんかなって思っただけ。」

「ふ~ん…やっぱ梨絵のほうがモテるんだ…。
そしてそれでいつも安藤が焦ってる…っと。」


はるがちょっとニヤつきながらそんなことを言う。


「俺は焦ってねぇ!!」

「焦ってんじゃ~ん。
モテる女の子を彼女にしても大変なんだねー…
あたしと一緒じゃん安藤。」

「はぁ?なんでお前と一緒なわけ?」

「だからー!!モテる人を好きになると大変だね同盟じゃん?」

「んだそれ?つーか俺、その同盟に入らねぇし。」

「えーっ!?なんでよー!?」

「つーかお前、んな元気なら梨絵のこと呼ぶな。
俺らせっかくデート中だったんだから。」

「その件についてはどうもすみませんでした…
安藤様に頭が上がりません…。」

「だろ?つーわけで俺らはデートの続きすっから。
あとはてめーで考えろ。じゃーな。」

「あ、ちょっと久哉!!」


あたしはかなり強引に手を引かれた。

はるの顔を見ると、全然落ち込んでなくて、ひらひらとあたしに向かって手を振ってる。



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