恋色の紙ヒコーキ
「んー…未定?」

「未定!?何か…その…興味があることとかはないのか?」

「んー…スポーツ…かな?」

「特に何の種目だ?」

「んー…そういうのは特にない。」

「はぁ…。」

「え?何その大きすぎるため息…。」

「戸田…お前の進路が決まっていないだろうことは最初から予想していた。
だけど…ここまで無関心とはな…。」

「無関心ってわけじゃないよ!!でも…。」

「なんだ?」

「どうしたらいいのか分かんないんだもん。
今のあたしには、みんなと一緒にいる時間しか…見えない。
未来なんか全然見えないよっ…。」

「戸田…。」

「なに?てらりん。」

「その『みんなと一緒にいる時間』っていうのはな、永遠じゃないんだぞ?」

「え?」

「3月には卒業だ。
お前らの友情がそこで失われるなんて思わないが、それでも…
進路が違えば、常に一緒にいるなんてできなくなる。」

「そんなこと…は分かってるもん。」

「そうか?それならいいんだが…。
とりあえず今日はここまでだな。
もう少し、将来のこと考えてみろ。
自分が何をしていきたいのかってこと、今が考える時だぞ。」

「ふぁーい…。」


あたしはとても曖昧に返事をした。


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