恋色の紙ヒコーキ
「悩んでないって!!」

「嘘。
はるはすぐ顔に出るんだから。
ここにシワ寄ってるし。」

俺ははるの眉間を指す。

「え?」

「進路の悩み?」

「…ちょっと違う。」

「はるは、もう進路決めてるの?」

「まだ。」

「そっか。まぁまだ5月だしね。」

「陽は決めてるの?」

「俺?俺は大学行くよ。」

「大学…かぁ…。
あたし、絶対入れないじゃん…
そしたら離れ離れになっちゃうね…。」


一段と俯くはる。

ああ…そういうことか…。
なんとなく分かった気がする。
はるをそういう顔にする理由。


「それが嫌だなって思ってるの?」

「え?」

「もしかして、寺脇先生に卒業したらみんなバラバラになっちゃうとか言われた?」

「……。」


図星かぁ…
確かに本当のことだけど、それを今はるに言わなくてもいいのに。

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