恋色の紙ヒコーキ
「前にも言ったと思うけど…
卒業なんかで俺たちがバラバラになるなんてこと、あるわけないよ。」

「どうして…そんなことが言えるの?」

「俺、はると離れる未来を想像できない。
たとえ、距離的に離れることになったとしても、はるを想う気持ちは絶対に変わらないよ。」

「そんなの…離れてみないと分かんないじゃん…
陽が行く大学で、めちゃめちゃ美人な子がいて猛アタックされたらさ、陽だって近くにいるその子が好きになっちゃうかもしれない…。」


ふぅ…とため息をつく。
今のはちょっと傷ついたんだけど…


「俺ってそんなに信用ない?」

「違うっ!!そういう意味じゃないけど…。」

「じゃあ何?」

「自信ない。離れたら…
あたしがやってけなくなるかも…。」

「それ、ちょっと嬉しいけどちょっと複雑だな。」

「嬉しい?なんで?」

「はるの中で俺がそれだけ大きな存在ってことでしょ?
そのこと自体は単純に嬉しいよ。」

「ちょ…そんなこと真顔で言わないでよっ!!なんだか照れる…。」

「ははっ。じゃあどんな顔して言えばいいのさ?変顔?」

「変顔出来んの?」

「そりゃ出来ないことはないけど…って話逸れてる逸れてる。」

「ごめん…。」


< 66 / 297 >

この作品をシェア

pagetop