恋色の紙ヒコーキ
「俺にしか見せない顔、でしょ?」

「それはっ…。」


確かにそうなんだけどさっ…
って…
いつの間にか握られているあたしの手。


「陽っ!!」

「何?」

「なっ…手…っ…!!」

「手くらい繋いでもよくない?」

「よくないっ!!
だってほらっ!!みんな見てるじゃん!!」

「気にしない気にしない。
見せつけよう?」

「いーやー!!」

「それ…本心?」

「え?」


すごく悲しそうな目であたしを見つめてくる。

その目に耐え切れなくなってあたしは…


「違う…けど…。」


そう呟くしかなかった。

陽の顔は一気に明るくなる。



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