恋色の紙ヒコーキ
神城衣里香の言葉に何一つ反論できない自分を情けなく思う気持ちも確かにあったけど…

それ以上に
『あたしが陽に迷惑しかかけてない』
ことが浮き彫りになったことのほうが痛かった。


込み上げてくる涙を必死に堪えてあたしは言った。


「言いたいことは…それだけ?」

「ここまで言えば充分でしょ?
あなたが何をすべきか分かった?」

「何…をすべき…?」

「あなたはやっぱり陽に相応しくないわ。
1ヶ月半くらい見ていたけれど、あなたは全然『陽の彼女』なんかじゃない。
別れるべきよ。陽のためを想うなら…。」

「……。」


言葉が何も出てこない。
だからあたしは逃げるように教室を後にした。







「少し…言いすぎたかしらね…
でもま、嘘はついてないわ。」


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