恋色の紙ヒコーキ
* * *

日差しが眩しい。その眩しさに起こされて、あたしは目を開けた。
どうやって寝たのか分からないけど、それでも朝は来るみたい…


「体…痛い…。」


ひどい頭痛。
だるい体。
これは…



「風邪。何こんなときに風邪なんかひいてんのよ?もうすぐ大会でしょ?」

「うん…あれ…梨絵は?」

「まだ寝ぼけてんの?
梨絵ちゃんなら昨日あんたが寝たのを見て帰っちゃったわよ。」

「そうなんだ…。」

「とにかく今日は休みなさいよ。
お父さんもお母さんももう仕事行っちゃったし。
学校にはあたしが電話しといてあげるから。」

「ありがと…。」

「……。
学校行きたいって言わないのね?」

「え?」

「いつものあんただったら風邪で休めって言っても無理していこうとするじゃない?
やっぱり何かあったのね。
それも陽くんと。」

「え!?そんなこと言ってな…。」

「大体分かるわよ。
あんたの昨日の顔と、今日のそのテンションとで。
病は気からとはまさにこのことよね。」

「違うもん…。」

「ま、風邪引いちゃったからにはもう仕方ないし…
ゆっくり休んで早く治しなさい。
バスケ部のみんなに迷惑かけないためにもね。
あ、熱計ってー。」

「うん…。」


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