恋色の紙ヒコーキ
「分かった!!
医務室行くから下ろして!!
この注目されてる感じに耐えられない!!」

「だめ。もう手遅れ。俺は耐えられるし。」

「バカ!!下ーろーしーてー!!」

「だめだって。大人しくして?」


こういうときの陽の声ってなんていうか、威圧感がすごいっていうか…ね。
で、大抵あたしは大人しくせざるを得ない。


「そうそう。大人しくしてて。手首動かさないようにして。」

「分かってるよ…。」



女の子たちの注目を痛いくらい浴びながら、あたしは医務室に運ばれて、シップを貼られた。
まぁ、2~3日極力動かさないようにしてれば大丈夫だって言われて一応安心。


「良かったね。軽くて。」

「うん。でも、これで勉強しばらく出来ないいいわけができたー♪」

「そんなこと言ったら寺脇先生に怒られるよ?」

「それ、いつものことだもーん!!」

「そうだけどさ。」


ガラガラッ…


「あれ?小林くん!!
どうしたの?小林くんも怪我?」

「いえっ…あの、はる先輩にお話が…。」

「え?あたし…?」

「はい!!」

「それは…俺、いない方がいいのかな?」

「別に構いません。いてくれても。」

「へ?」


思わず声が出た。


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