詩集『One Love』

犬のクンクン無防備法

姫は若干、においフェチなのです。

同じにおいフェチの仲間として、犬のクンクンを保護する法律を作りたいと思います。

犬に身体をクンクンされている者(以下、被クンクン者とする)は、特別な理由の無い限り犬のクンクンを妨げられないものとする。

特別な理由とは、異性への告白の最中である場合や、キョンシーから姿を隠している場合や、恋敵に捕まって胸に七つの傷をつけられている抜き差しならない状況にある場合などである。

被クンクン者は犬にクンクンされている間、犬のおでこ、もしくは顎の下を撫でなければならない。

また被クンクン者は、犬がいかなる部位をクンクンしても甘んじてクンクンされなければならない。この場合は両手を天に掲げ「らめぇぇぇ」と悲鳴を上げると良いと思うの。

犬が一通りクンクンして「フーッ」とため息をついた時点で犬のクンクンは終了とみなす。

なお、被クンクン者が犬に対しクンクン返しをすることも許されるが、非常に犬臭いことがあるので注意するべきと姫は考えます。

犬に執拗かつ長時間にわたるクンクンを受けた被クンクン者は、24時間以内にお風呂に入って体を清潔にすることを義務付けます。

大切なのはさじ加減なの


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