バカなひと
え?
よく意味がわからないんだけど。
だって
あなたはあたしを
好きなんじゃないの?
――お前には1番に伝えたくてさっ!――
そうやってあたしに笑顔を向けるけど、
うまく頭が回らないわ。
だって、
その笑顔を向けるのは
あたしだけじゃない。
言ってくれたじゃない、
あたしと話すのが1番楽しいって。
――同じクラスのエミちゃんなんだ!――
あたしのほうがずっと可愛いわ。
――俺、告られちゃってさ――
あたしも、自分から想いを伝えればよかったの?
意味がわからないことだらけで。
なんだか目の前がぼやけてきたわ。
おかしいのはあなたの方なんじゃない?
だってほら。
あたしのひきつる笑顔に
もう、気づいてはくれないの。