レゾンデートル



「先程は、うちのものが失礼しました」


深々と頭を下げてくる優羽里ちゃんに、私達は「こちらこそ、勝手に来ちゃってごめんなさい」と頭を下げた。
すると優羽里ちゃんはにこりと笑って、私達一人一人の顔を確認した。


「お久しぶりです、雛春、桜さん。それから後のお二方は、はじめまして、ですよね?」


軽く小首を傾げながら優羽里ちゃんは問う。
すると愛琉が嬉しそうに手を上げる。


「そうそう!はじめまして!オレ、鳳愛琉って言います!よろしくね!」

「こちらこそはじめまして、天原優羽里です。よろしくお願いします」


テンションの高い愛琉と対照的に、落ち着いておしとやかに自己紹介をする優羽里ちゃん。
これじゃあどっちが年上か分からない。

私が呆れていると、優羽里ちゃんは来琉に話し掛ける。


「貴方のお名前もお聞きしてよろしいですか?」

「ん?あぁ、鳳来琉だ。この馬鹿の双子の兄。よろしく」

「まぁ、双子だったんですか!素敵!」


今度はやり取りが大人びて見える。
年相応という言葉を忘れそうだ。





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