レゾンデートル
7 逃走
あれから、私達は何とか優羽里ちゃん宅から脱走した。
脱走までの過程に何があったかは語るまい。
…思い出すだけで怖くなる。
それから私達5人は、もう足の感覚もなくなるくらい走り続けた。
呼吸が苦しくなろうと、肢体が重くなり言うことを聞かなくなろうと、走り続けた。
夜中になっていたこともあってか、私達のテンションは限界を突破する。
夜中の大都会を駆け抜ける爽快感は、私達を更に狂わせる。
「あはは!今ならオレ、走ってブラジルまで行けるかもー!」
「ばっか、ねーよ!」
「はは、馬鹿馬鹿し、!」
「っは、もうおれ、限か、」
「私も、で、す」
各々が口々に、好き勝手に喋る。
それを気にとめたり、口を出す者など、もうここにはいない。
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