レゾンデートル

2 再会




傷ついた手首を隠すように、長袖の服を着た。
季節は冬だから、長袖を着ていても何もおかしくない。
だから冬が好きといえば好き。

上からジャケットを羽織り、外へと足を運ぶ。
ひんやりとした空気が纏わり付く外は、ほてった体にちょうど良かった。

外に出たは良いけれど、特にやることもないので夜の街をうろつく。
またあいつに会えないかな、と馬鹿馬鹿しい祈りを込めながら、地を踏む。

下を向きながら歩いていると、ふいに肩を叩かれた。
振り返ってみた先には、見ず知らずの男が二人。


「君、高校生?可愛いね、一人?」

「俺ら退屈してたんだよね、一緒に遊ばない?」


そう笑顔で告げる二十歳くらいの金髪の男二人に寒気がした。
男なんてどうせ私の顔と体にしか興味ないのだ。
だから、嫌いだ。


「あんたら、中学生に手ェ出すつもり?犯罪じゃない?」


そう告げると、男達は顔を見合わせながら「は、中学生?」「どうせ嘘だって」と小声でやり取りを始めた。
嘘なんかつかねぇよ。ばか。


「めんどくさいから、もう良い?」


そう言って立ち去ろうとすると、力強く腕を掴まれ、引き止められた。
「離せよ」と言ってみるが、「まぁまぁ、照れないでよ」と返され、全く聞き耳を持たれない。


「離さないんなら警察呼ぶよ」

「何言ってんの。そしたら君も補導されちゃうよ?」


ごもっともだ。
でも素直について行くわけもない。
このまま殴って逃げようかな、と思っていると、私の手を掴んでいない方の男が、突然倒れた。





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