レゾンデートル



「おい、これさ、どこまで走るんだ!?」

「知らないわ、よ!」

「オレ達ん家おいでよー!」


私達年上組がわいわいと話をしているうちに、気がつくと愛琉と来琉の家の前まで来ていた。


「ささ、上がってよ」

「汚えけど」


息切れ一つせずに、愛琉と来琉は私達を家へと招き入れる。


「あ、あの…」


優羽里ちゃんは疲れからか、顔を赤くさせながら、双子に怖ず怖ずとしながら声をかけた。


「うんー?どうしたの?」


気の抜けたような声で返事をする愛琉に、優羽里ちゃんは俯きながら言う。


「私、殿方の家にお邪魔するのは初めてで…手土産も持って来ていませんし…」


照れながら言う優羽里ちゃんに、私達4人はフリーズした。
その直後、来琉の「優羽里以外集合!」という掛け声で、私達は輪になる。





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