レゾンデートル
「あの、私、やっぱり帰らないと…」
優羽里ちゃんが口を開いた。
顔には不安の色を浮かべている。
「なんでだよ、軟禁されてたんだぞ?お前」
「それは、はい…私が、悪かったからで…」
不機嫌そうに言う来琉に対し、優羽里ちゃんが言葉を濁しながら呟く。
そんな中、飲み物を持って来た愛琉が口を開いた。
「ねぇ、優羽里ちゃんが監禁?ん?なんだっけ」
「軟禁、な」
「そう、軟禁。軟禁されてた理由って何なの?」
ヘラリと笑いながら、愛琉は優羽里ちゃんに問い掛ける。
そんな愛琉とは対照的に、優羽里ちゃんは俯きながら雛春くんをちらりと見た。
そして、また口を開いた。
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