レゾンデートル



あれからしばらく時間が経過した。


あのあと来琉が下りてきて、話は中断された。(私としては良かったんだけど、愛琉は残念がっていた)

それから愛琉と来琉と連絡先を交換して、来琉に家まで送ってもらってしまった。


家への帰り道、来琉も私も無口で、なんだか凄く気まずかったのを覚えてる。
けれど来琉が私の歩幅に合わせて歩いてくれていて、照れ臭いながらも嬉しかった。


私達が最後に交わした言葉は、その時に言った「またね」だった。

それから私達は一度も会っていない。



あれから月日は流れて、私達は中3の夏を迎えた。

この時からだろうか、私達の運命が変わり始めたのは。





.
< 8 / 33 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop