Protect~守る~
プロローグ
地元の人達に怖がられた"狼"。
違う地域の人達にも、怖がられた"狼"。
両親に見捨てられ、
弟は危険なため、遠い地方にとばされた。
世間から見ると、ただの可哀想な"狼"。
だが"狼"は可哀想じゃなかった。
一匹"狼"に感情など無くしたモノ。
この頃の"狼"に怖いものなど無かった。
毎日毎日ケンカばかりの日々。
"狼"は何か胸にポッカリ空いたものを埋めたい。
何かが欲しい、そのような表情を
時折することがある。
それは…―。
一体何故なのだろう?
怖い。
恐ろしい。
そんな印象しかない"狼"が
何故、そんな顔を見せるのだろうか―?
何かを求める"狼"。
それは―…きっと"狼"にも分からない。
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