Protect~守る~


このタイルの傷は、今も昔もここが不良校だと示している。

数年も前ではここで…死人がでたと言う事実が発覚。


 

本当は嫌だ。
 
こんな所に通う事が。

 
嫌…嫌だ。

だけどあたしの行ける高校はここしかなかった。


 
「嫌だとしても通え」と、親戚は言った。



 
一緒にいた弟は…無言のまま一言も喋らずに立ち去った。

喋ってくれなかったことは、あたしを深く傷つけた。



弟までも巻き込んだのは許せない。
 
でも、これ以上弟といると…

辛かったのかもしれない。



それに頼れる人がいないというのが現実だった。


 
そして―。
 
あたしはここに通い…卒業したら誰にも頼らず一人で生きてゆくと決意した。

 







一人で。



 

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