Protect~守る~
朝っぱらから、キャーキャーと甲高い声を出す女。
苛立って机を蹴ったのを覚えてる。
『お前が…』
「あぁ、そうだぜ」
天笠はそうニコっと笑う。
あたしは目を逸らして、天笠に向けてシッシっと手で追い払うようにした。
「なぁ」
『……』
あたしは天笠の問い掛けには無視して、窓の方に体を向けた。
「あんたの名前は?」
『……』
久しぶりに、あたしの名前を聞いてきた馬鹿。
少しだけ戸惑った。
でも、たかが名前。
どうせ聞いたら終わりに決まってる。