Protect~守る~
こいつを無視してから約30分。
何度もシカトしても天笠は諦めず、あたしに何回も声をかけつづけた。
もちろん、何度言おうとあたしはシカト。
でも何だかこうしていると罪悪感が芽生えてきた。
「ねー…答えてよー……」
もうこの人は投げやり状態だ…。
あたしは一回溜息を吐いてから、数分口を開いてなく乾いた唇を離して言った。
『榊 幽(ゆう)。木に神って書いて"榊"。幽霊の幽』
どうせ、名前を教えても変としか言わない。
漢字は幽霊の幽だって事で、縁起(えんぎ)が悪い。
――でも、この男は違った。