Protect~守る~
「――へぇ"幽"か…いい名前だな」
思わず目を見開いた。
この男は、今…何て言った?
いい、名前…?
こんなあたしの名前がいい訳がない。
お世辞もほとほどにして欲しい。
あたしはコイツをキッと睨みつけ、
「お世辞なんか言うな」
天笠が震え上がったのと同時に、言い捨てた。
何でこいつだけはそう言ってくるのだろう。
どうせ、ただのクラスメイトだけは知りたいってか?
それとも一人だったから、可哀想っていう同情の目線で?
そんなのいらない。
だから…近寄るな。
あたしに近づくな。