Protect~守る~
「幽…?」
『…うるせぇ!!少し黙っとけや!!』
あたしは耐え切れず、怒鳴り声をあげる。
その時、こいつがビクっと肩を揺らす。
周りのクラスメイトは軽蔑や好奇の目で、あたしたちをなめ回すようにじっと見つめる。
「ごめんな?」
『いいから、あっち行けよ、偽善者』
「…」
何で、泣きそうな顔をするんだこいつは。
こいつ…天笠ももは泣きそうな顔であたしに訴えかけてくる。
あたしも少しは言い過ぎたのかもしれない。
でもこいつは偽善者。
信じても意味がないような人。
『…』
「ごめん、幽」
『…』
あたしは無反応。
「ごめ「ちょっとぉ~。何でもも君この子に謝ってんのぉ??」
うざい声が天笠ももの声を遮った。
ああ、うざい。