赤ずきんと狼
狼に宣戦布告
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴り、私は大きく伸びをした。
「んんっ……」
「終わったー!」と、リラックスしていると、橘くんが席を立った。
「え、どこ行くの?」
「…別に」
彼は冷たくそう言ったので、歩き出した彼を止めるように服の裾を掴んだ。
「…なんだよ」
「だから、どこ行く…んですか?」
私がそう言うと、橘くんは冷たく言った。
「お前には関係ない」
「総くん、サボり〜?」
「…別にいいだろ」
「じゃあ僕も行こう〜っと!」
そう言って、橘くんと雅くんが教室を出て行った瞬間、教室では女子の高い声が騒ぎ始めた。
「やばい、総悟くんだって!めっちゃかっこいいんですけど!」
「わかる、あのクールなとことかマジいい!」
「え、でも私は雅くん派〜!」
「私も!あの笑顔可愛すぎじゃない?」
話題はやはり、あの二人。
二人共整った顔をしているから、当たり前と言えば当たり前かもしれない。