赤ずきんと狼



………?
え、あ…お友達?
まさかそんな風に言われるとは思っていなかった為、驚きが隠せない。

「え…あ、私に言ってる?」

「当たり前だよ!梨沙ちゃん可愛いし、おもしろそうだし!」

ねえお友達になろうよ〜、と八重歯を出して言った。

いやいや、可愛くないし、おもしろくないですけど…
お友達になろうと言われて、
別に断る理由はない。
それに優しそうな雅くんだからなおさらだ。


私は遠慮気味に言った。

「私なんかでよければ…」

そう言った瞬間、雅くんは私の手を掴んだ。


「やったー!梨沙ちゃんは、僕の高校でのお友達第一号っ!」


男の子に初めて手を握られ、つい顔が赤くなる。
それに気付いた雅くんは、顔を覗き込むようにして顔を近づけた。

「な、ななななっ!」

あと数cmと言うところで、とまるが近すぎる!
青春真っ盛りの女子高生に、この距離はない!!
心臓が飛び出してしまいそうだ。


「梨沙ちゃん顔赤いよ?どうした?熱かなー?」

天然にも程がある。
困る、困る、困る。
私の心臓がもたない…

いつの間にか、息をとめていたようで、苦しくなってきた。

………さ、酸欠……







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