すきだけど?
俺でええやん
「柏原くん、なんで"桜ちゃん"?」
外にでて開口一番それをきく。
「何、柊さん?気になるんや?」
ニヤッとして顔をのぞきこんできた。
「そ‥そうじやないけどさあ‥」
軽くふくれると
「うそうそ、ごめんってば。ちゃんとゆうから拗ねんなよ」
「拗ねてないし」
ぜんぶわかってるみたいに緩めて笑って
「幼なじみやねん」
「‥はい?」
「だーかーら!小学校の頃、家がちかかってん」
親も仲良かったしな、とつけたす。
「なに?やきもち?」
ニヤニヤしながら、またのぞきこんでくる。
「ちがうし!」
「即答かいな。へこむわあ~」
いいすぎたかな、と思ってちらりと見上げると、口調は拗ねているが、顔は笑っていて、思わず安心してしまった。