すきだけど?
「‥ばかっ」
怒ったはずの声は、たぶん拗ねているかのようになってしまった。
「こうでもせえへんと柚寿にやられっぱなしやったやん?」
ニッと笑う葉は、十分に人が悪い。
「‥‥あした一緒にいってほしいとこがあるの」
あたしがあげたのは、有名ファミレス店の名前である。
「それって‥」
ちょっとまじめな顔になった葉に緩めて笑ってうなずく。
「おねがい。葉と一緒ならがんばるから」
ほんとは"がんばる"じゃなくて"がんばれる"なんだけど‥あたしはそんなことまでゆえないから、察してね?
そんなことを目線にこめて見上げる。
「‥しゃあないなあ」
照れたような顔をしてるのは気のせいか?
「可愛い彼女にうわめづかいされたら、そらいかなしゃーないやろ」
「うわめっ‥?!」
そのまま急にくちづけられて、かたまったことは余談だ。