すきだけど?
「あっ柚寿じゃーん」
付き合っていたときより数段チャラくなってる元カレがはいった瞬間こちらに気づいた。
「‥どうも」
彼女らしきひとに誰、ときかれて元カノ!とあっさり元気よく答えられるのは、むしろ尊敬だが。
隣にいる葉に、関心はうつったらしい。
「なにー彼氏?」
軽い調子でいっているがさっきより声が硬い。
――――葉の見た目はこんなとき、10中8・9、相手が怯む程度にはかっこよく、はったりがきく。
新まけてんじゃーん、と周りにからかわれていればなおさらだ。
「そう、彼氏。かっこいいでしょ?」
「‥そうだなー」
そうだよね、だってそうゆわれたらそうかえすしかないもんね。
一瞬あいた間に、内心ニヤリとする。
「いくつ~?」
新は1つ葉に勝てる点をみつけたらしい。こっちとしては甘くみてんじゃねえぞ、とゆう気分だ。
「あたしより1個下」
同級生くらいだと思っていたらしい、虚をつかれた顔をしている。
「へえ~じゃあ柚寿もたいへんだな、年下のおもりなんて」
お前はそれでも大学生かとツッコみたくなるような切り返しだ。
隣にいる葉は肩が震えている、怒りでなく笑いをこらえようとして、だ。