今夜,君と…。
亮平は,ベットにあたしを寝かせて片手で服を脱がせながら,片手で鳴り響く携帯を見る。

あたしは何となく嫌な予感がした。

「はいはい?」

亮平は電話に出た。

今までは電話が鳴っても「どーでもいー!」って笑ったやん。



耳をすますと…








女の子の声がした。





それでも片手で体を触り続ける亮平に吐き気がした。

あたしは,わざと声を出してやりたかった。


咳払い。


をしてみた。


亮平はハッとした顔でこっちを見た。

ああ,やっぱり友達じゃない。


友達なら咳払いしたって「今彼女とおるねん。」って言えるもん。



焦ってるやんか。

困ってるやんか。

…いつもより優しい声で話してるやんか。


あたしは服を着た。
< 25 / 93 >

この作品をシェア

pagetop