今夜,君と…。
「どしたん?」

「っ???!」

女の子はビックリして顔を上げた。

見るからにキャバ嬢。

金色に近いの髪は綺麗に巻かれいて,つりぎみの目はばっちり黒く囲まれてた。

ただ新地におるからキャバ嬢やなくてホステスかなあ…?

新地には珍しく小麦色の肌で出勤前なのかドレスではなかった。

「どこの店のコ?店いかんの?」

「…店はブルーローズ…です。今日は…休み……です。」

涙声で答えたその子は,見た目とは裏腹に敬語を使ったのでつい笑ってしまった。

「なんで笑うん〜???」

そういってボロボロ泣き始めたから俺はフワフワの頭をなでてみた。

「ごめんごめん!名前は?どっちの名前でもええけど!」

俺はホステスと決めつけ本名でも源氏名でもいいで,って意味で聞いた。

「なな…せです。」

「ナナセちゃんな!何かあったんか?」

「うぅ〜…」


ナナセはしばらく泣き続けた。
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