今夜,君と…。
居酒屋やと酔わしてどうこうしようって思ってる…って思われるんが怖くて,普通のファミレスを選んだ。


ナナセは細い体に似合わず大食いだった。

「…ってゆうか,あたしあなたの名前知らないんですけど!」

「ああ〜!俺は陽太!」

「よ-た君やね!じゃあ何で陽子なんですか?」

俺はナナセの携帯に勝手に番号を登録した時,名前を陽子にした。

…俺なりの優しさのつもりやってんけど,ナナセは気付いてなかった。


「敬語やめてや〜!陽子はジョークやん!ミステリアスで俺のこと忘れやん作戦♪てか陽太でええし!」


ナナセは,もぐもぐしながらニコニコしてうなずいた。


その食べっぷりがまた俺の心臓を狂わせてるとも知らずに…。




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