今夜,君と…。
「…ここが夢新地???」
早速,夢新地店での初めての配達に先輩の後藤さんと来ていた。
「せやで!ここが本通りって呼ばれてる,いわゆる新地の中心かな?」
後藤さんは金髪に近い長い髪をなびかせながら言った。
年は32才…
…に全ッ然みえないくらい若くて綺麗な人。
あたしは,後藤さんに配達のノウハウや新地内を案内してもらいながら,
(…寂しい街やなあ。)
と思っていた。
人はほとんど歩いてないし。
タバコの吸い殻や枯れた花,空き缶,ペットボトルにエクステまで一本ひょろりと落ちていた。